1週間前の話し。

もう1週間も前の話しだけど、進水式を終えたサバニに会いに行った。それが目的ではなかったけれど、近くを通った時にふと寄ろうと思った。進水式の時の海水と砂浜の砂がついたまま、サバニがたたずんでいた。

 

サバニの言葉の由来は「サバンニ」、鮫の胸という意味だと教えてもらった。それを想像させるように、舟の腹はきゅっと引き締まっていて、それでいて滑らかなカーブが広がっている。思わずへりを撫でたくなる。内側は、何十年も前のものだという板や木製の部品、それから今回サバニ再生のために新たに使った木が組み合わさっている。

 

私がサバニ再生の事を知ったのはFacebookだっただろうか2月頃五味屋が沖縄に帰ってきてやっていることを聞いた。その後3月のうりづん庭でポスターを見た。

 サバニのような魅力を自分でキャッチできるようなセンサーが私にはあるか、と思うとあんまり自信がない。道端にゴミと一緒に置いてあったら、通り過ぎてしまうと思う。

 でも「サバニ再生」に惹かれてしまった。何に惹かれたのだろうと考えてみたけれど、その理由のひとつは多分、それをしている人たちだと思う。連日サバニに通い、テントの下で木を切ったり削ったり磨いたりしている。サバニの再生をしていた。日によってメンバーは違うけれどそれぞれの日にそれぞれ作業をしていた。なんとなく、私もその人たちのナカマになりたかった。私が足を運んだのは数回で、気がつけばサバニが再生され、薄く反った櫂が出来上がっていた。他の人たちが振り返っているように、進水式の日、サバニに描かれたトビュー(トビウオ)は、海を泳いでいるように見えた。

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